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オーストラリア国立海洋博物館について


当館は、オーストラリアの海にまつわる博物館です。この博物館は、私たちの身の回りにある海や河川、そして湖と私たちの関係を探求し、私たち皆を結びつける豊かな海の遺産について、より深く知ることができる場所です。


オーストラリアは島国です。オーストラリア人は常に、自分たちを取り囲む海に魅了されてきました。海は、その刻々と変化する潮流と共に、いつの時代も私たちのものがたりにおいて重要な位置と意味を占め、私たちのアイデンティティーを形成してきました。当館は、こうしたものがたりを共有することで、海がどのように私たちの世界を形成し、今もなお私たちの姿を変貌させ続けているのかについて、好奇心や会話を促すことになるよう望んでいます。当館の目的は、海とのつながりについて人々に驚きと興奮をもたらすことを通して、私たち皆が海をより尊重するようになることです。

Shaped by the Sea

Shaped by the Sea[海にかたちづくられて]は、オーストラリア国立海洋博物館がお届けする、大規模展示です。この展示ではこの島大陸とその海岸線、その河川、そしてそこに住む様々な部族たちのものがたりが語られています。

Shaped by the Seaには、オーストラリアを囲む沿岸の海の海面上昇を描いた太古のものがたりが含まれています。こうした先住民アボリジニの視点は、最後の氷河期が終わった後の沿岸部浸水や海面上昇についての科学的な説明を伴いながら、共有されています。同展示ではこのように、異なる2つの知の体系が、太古のオーストラリアの1つのものがたりを通して織り上げられています。

この展示のデザインは、海は生き物であるという考えからインスピレーションを得たアプローチを採用しています。ギャラリーは、水の動きを模していますー 大地と海と空をつなぐ壮大な旅の中で、水の流れや渦潮を感じてお楽しみください。

Shaped by the Seaは、私たちの過去を知るための様々な手段の存在を認め、包含しています。この展示では、社会的・精神的なつながりが海や河川に浸透し伝承されていく、生きた文化知識の存在を取り入れていくことの重要性が強調されています。このような視点から得られるこの世界についての理解は、科学や考古学、歴史などのみを通して得られる知識を、さらに豊かにしてくれます。

この展示は、幾世代にもわたり私たちの海や河川と共に生活し、それらを守り、維持してきたオーストラリアの先住民族たちの間で受け継がれてきた知識や、彼らの習慣を参考にしています。また、それと同等に、同展示は先住民のもの以外の伝統も、河川や水との深いつながりを促進させることを認めています。

Shaped by the Seaは、オーストラリア人だけでなく、すべての人々に向けて、これらの自然や文化との接点を呼び覚まし、その存在を認識させてくれます。

私たちの艦隊を探索してください

背の高い船 - HMBエンデバーレプリカ

オーストラリアで建造されたジェームズ・クックのHMBエンデバーのレプリカは、世界有数の正確な再現性を誇るレプリカ船です。
• 船内に入ると、ジェームズ・クック船長とそのクルーは航海途中で、どこかに上陸して出払っているのかと錯覚してしまうかもしれません。テーブルはきちんとセットされ、服も掛けられ、猫はすやすや眠っています

• この美しく建造された船は、歴史上もっとも偉大な海洋冒険のひとつであるクック船長の1768~71年にわたる壮大な世界周航における船乗りの生活を垣間見せてくれます。マストには28枚の帆が張られ、帆布の総面積は約10,000平方フィート(930㎡)にもなります。そして当館のエンデバーは、今でも頻繁に海に出ています!

• 下部の調理室には、1768年当時は最先端設備だったファイヤーハースと呼ばれる巨大な調理窯があります。後方にあるグレート・キャビンはクック船長の執務室であり、食事場所でもありました。クック船長はこの部屋を、有名な植物学者であるジョセフ・バンクスと共有しました。

• エンデバーのレプリカは1988年に起工され、5年後に進水しました。以来、エンデバーは長期航海により多くの海里(距離)を航行し、3回のオーストラリア周航のほか、ヨーロッパやアメリカなど海外の港への航海も果たしてきました。

• 2022年には、当館の海洋考古学者が、米国ロードアイランド州ニューポート港の海底にある沈没船こそが、初代エンデバーであると特定しました。

乗船および船内探検のための指示(安全指示)

     •     入り口、階段、通路が狭いため、リュックサックや大きなカバンは持ち込めません。
     •     荷物はクロークまたはロッカーに預けてください。
     •     ゆっくり歩いて足元に注意してください。
     •     120cm未満のセクションがあるので、頭上に注意してください。
     •     下甲板に入るときは、ロープ、手すり、梯子をつかみ、梯子を降りるように階段を見下ろしてください。
     •     エンデバー号では、梯子を後ろ向きに降りて、頭上のスペースが限られているデッキがあるので頭に注意してください。
     •     すべての船には、一度に10人以下の制限がありますのでご注意ください。
     •     階段を上り下りする際や船内を探検する際は、頭をぶつけないように気をつけてください。
     •     身長90cm以上の方のみ入場可能です。
     •     特に雨の日には船や階段が滑りやすくなるので注意してください。
     •     食べ物や飲み物は持ち込めません。
     •     ハイヒールは避けてください。スニーカーなどの履きやすい靴や服を着用してください。


駆逐艦 - HMASヴァンパイア

HMASヴァンパイアはオーストラリアの博物館に展示されている船舶としては最大のものであり、オーストラリア最後の大型攻撃艦です。3基の独立した砲塔に4.5インチ砲を6門搭載しています。ヴァンパイアは外洋における哨戒・護衛任務用の高速タイプの戦艦として分類される、駆逐艦です。
ヴァンパイアをはじめとするダーリング級の軍艦は、オーストラリアで建造されたものとしては最大の駆逐艦でした。ダーリング級の強固でありながら軽量な構造は、高速性と最大限の火力(武器装備)の両立を実現しました。なお、後に登場した駆逐艦では、主な装備としてミサイルが使用されるようになりました。

その火力にもかかわらず、ヴァンパイアの任務は、1960年代にベトナム戦争に兵士を護衛したときも含めて、平和なものでした。ヴァンパイアは、1977年に英国エリザベス女王の即位25年を記念したオーストラリア訪問期間中に、RAN(王立オーストラリア海軍)にによるHMYブリタニア(ロイヤルヨット・ブリタニア号)護衛の任務に就き、わずかな間とはいえ王室に直接仕える栄誉にもあずかりました。

潜水艦 - HMASオンスロー

HMASオンスローに乗り込んで、水中戦の知られざる世界に踏み込んでみましょう。

当館が展示するこの潜水艦は1969年に就役し、1999年に当館にやって来る数週間前に退役しました。オンスローは現在でも現役時に近い状態で保存されていますので、乗船見学の際には潜航警報にご注意ください!
オンスローは、オベロン級の他の5隻の潜水艦と共に、オーストラリア海軍に他国から侮りがたい強力な水中戦力をもたらしました。同海軍の潜水艦隊は、「強度、静粛性、奇襲性」をモットーとしています。
このモットーにより、つぎのようなオンスローの特性の多くが説明できます:
• 特殊部隊が潜水艦から出て秘密作戦を実行するための、ダイビング・チャンバー
• おもりが付けられたごみ袋の入ったごみ放出装置。放出されたごみ袋は海底まで沈み、くずが浮上して潜水艦の位置が特定されることがないようになっています。
• すべての機器への防音処理。このため、オベロン級の潜水艦はこれまでに建造された潜水艦のなかでも有数の静粛性を誇っています。
オンスローは世界16周相当を上回る距離を航行しており、30年にわたり、人知れずオーストラリアのために功績を残してきました。

船内見学および搭乗のご案内(安全上の注意)

• 入口、階段、通路が狭いため、バックパックや大きなバッグの持ち込みは禁止されています。
•             荷物はクロークまたはロッカーに預けてください。
• 潜水艦に乗る際は、サングラスやアクセサリーを安全に持ち運び、金網から落ちないようにしてください。
• 潜水艦搭乗時には、入口で黄色の番号タグ🏷️が配布されます。タグを服に付、退場時に返却してください。
• 潜水艦に入る際は、普通の階段のように降り、梯子を使うように階段を下を向いてください。
• すべての船には、一度に10人以下の制限がありますのでご注意ください。
• 階段を上り下りする際や船内を探検する際は、頭をぶつけないように気をつけてください。
•             身長90cm以上の方のみ入場可能です。
•        特に雨天時には、船や階段が滑りやすいので注意してください。
•             食べ物や飲み物の持ち込みは禁止されています。
• 高いヒールを避け、運動靴などの快適な靴と服を着用してください。


帆船 - ダウフケン

この小型船は、400年以上も前にヨーロッパからアジアまで航海した船のレプリカです!

このカラフルな帆船は、オランダ語で「小さな鳩」を意味する「Duyfken[ダウフケン]」と名付けられています。1601年にオランダからインドネシアまで航海した船の、レプリカです。もとの船は、1606年にオーストラリア北部にもやって来ていました。

このような船はかつてアジアとヨーロッパを結ぶ海上の架け橋でした。1600年から1900年にかけて、オランダはインド、インドネシア、中国、日本、朝鮮半島に貿易ネットワークを築きました。ドゥイフケンのような岩だらけの小さな船で遠くの地へ航海することを想像してみてください。ドゥイフケンに乗って、その場所や特徴をいくつか発見してください。

• 船尾にある小さな船長室 - 船内で唯一プライバシーが保たれる場所

• 後の船で使われた舵輪の代わりに、操縦に使われる棒、いわゆる「ホイップスタッフ」

• 400年前にインドネシア海域でポルトガル船と戦ったときに使われたものに似た大砲

私たちのレプリカ Duyfken は、西オーストラリア州フリーマントルで建造されました。2000 年以降、インドネシア、パプアニューギニア、オランダ、オーストラリア各地を航海してきました。